特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
再診・治療の危機一髪
特別養護老人ホームの入居者からMRSAが検出された!/疥癬が発生した!
浅野 博
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1天理よろづ相談所病院臨床病理部・ICT(感染対策チーム)
キーワード:
特別養護老人ホーム
,
MRSA
,
疥癬
,
標準予防策
,
接触感染
Keyword:
特別養護老人ホーム
,
MRSA
,
疥癬
,
標準予防策
,
接触感染
pp.396-397
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100296
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MRSAを検出したら
入院患者や長期療養施設入所者の臨床検体よりMRSAが検出されることはしばしば経験するが,院内感染対策を熟知しているスタッフは少なく,室内消毒など過剰な対応をされていることが多い.
MRSAは種々の抗菌薬に耐性を示すが,病原性は通常のブドウ球菌と変わりはない.また健康人においても鼻腔,咽頭,皮膚などに高頻度で常在しており,保菌が必ずしも感染を意味しない.MRSAは黄色ブドウ球菌であるため接触感染対策が必要になる.また薬剤耐性菌であるため比較的厳重な感染防御が必要となる.対策の内容は各施設の性格によっても異なる.一方でMRSAはありふれた菌であるため,すべての検出患者に正しい接触感染対策を徹底するのは事実上不可能である.そのため,対策の内容はコストベネフィットも踏まえて決定されているのが現状である.
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