What's your diagnosis?[117]
後ろはペコペコ
宋 光明
1
,
成島 英里
1
,
上田 剛士
1
,
植西 憲達
1
,
二宮 清
1
1洛和会丸太町病院総合診療科
pp.633-636
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102586
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症例
患者:気管支喘息の既往のある92歳女性.
現病歴:来院当日の朝までは普段通りであったが,朝食後にむせた勢いで嘔吐し,その後,呼吸苦が出現したため受診.普段の食事形態はキザミ食であり,むせも時には認めていた.来院後は体動時に右股関節から大腿にかけて痛がっていた.
臨床経過:大腿骨の単純X線写真で右大腿骨頸部骨折を認め,胸部単純X線写真では明らかな肺炎像は認めないが,右下肺野に湿性ラ音を聴取しており,発熱を認め,喀痰グラム染色で多種の菌の貪食像を認めたため,右大腿骨頸部骨折,誤嚥性肺炎の疑いで総合診療科併診のうえ,整形外科で入院加療とした.骨折に対して手術を予定し,肺炎に関しては絶食と抗菌薬投与を行い経過を見ていたが,熱型,呼吸状態の改善を認めなかった.気管支喘息に関してはβ刺激薬吸入,ステロイド吸入を行っていた.入院3日目に突然の呼吸苦が出現した.
既往歴:20年前にかぜをひいていた際,倦怠感がありベッドに座っていたが,突然チアノーゼが出現し呼吸停止.胸骨圧迫を行い自発呼吸再開.その数カ月後も同様に呼吸停止を起こしている.その後,喘息として治療を開始した.6年前くらいから痰が出にくいとのことで枕を高くして寝ていた.
内服歴:フルタイドⓇ,セレベントⓇ,ノルバスクⓇ,パリエットⓇ,プラビックスⓇ,アンプラーグⓇ,ラシックスⓇ,アレジオンⓇ,クレストールⓇ,ガスモチンⓇ,ナウゼリンⓇ,パントシンⓇ,レフトーゼⓇ,ムコソルバンⓇ,ラキソベロンⓇ,ツロブテロールテープⓇ.
生活歴:喫煙歴なし,機会飲酒,20年前まで製本の仕事をしていた.家族歴:特記すべきことなし.
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