What's your diagnosis?[60]
TBの前にエコーはいかが?
上田 剛士
1
,
中山 明子
1
,
米山 克二郎
1
,
二宮 清
1
,
酒見 英太
1
1洛和会音羽病院総合診療科
pp.1003-1006
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101292
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病歴
軽度認知症のある90歳の女性.入院10日前に39.2℃の発熱をきたし近医に受診.CRP 10mg/dlが認められたが,インフルエンザ迅速抗原検査陰性,胸部X線と腹部エコー検査では特記すべき所見は指摘されず感冒と診断された.入院6日前,38℃台の発熱が継続し尿検査にて膿尿・細菌尿が認められたため,レボフロキサシン300mg 1回/日とセフトリアキソン1g点滴が開始された.この頃より家人が乾性咳嗽出現に気付く.高熱と膿尿が継続していたため,入院3日前にもレボフロキサシン300mg 1回/日が継続投与されたが,発熱は継続.咳嗽は増悪傾向にあり,徐々に食欲と自発歩行が減少したため精査加療目的に入院となった.乾性咳嗽は認めるが,鼻水・咽頭痛や胸痛・呼吸困難は認めない.嘔吐・下痢・便秘・腹痛なし.頻尿・残尿感・排尿時痛なし.頭痛や関節痛・筋肉痛および皮疹は認めず.Jaw claudication(咀嚼中に顎がだるくなる)や視覚障害もない.旅行歴,病人・動物との接触歴もない.
既往歴:12年前と6年前に脳梗塞にて左不全片麻痺.結核の既往歴・接触歴なし.内服薬:チクロピジン(パナルジン(R)),酒石酸イフェンプロジル(セロクラール(R)).喫煙:20本/日×75年間.飲酒:なし.ADL:歩行自立,食事普通食,むせ(-).
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