特集 行動変容を促そう
行動変容のすすめ方
③運動療法―肥満へのアプローチ
野村 卓生
1,3
,
中尾 聡志
2
,
川満 由紀子
2
,
西上 智彦
2
1大阪府立大学総合リハビリテーション学部理学療法学専攻
2高知大学医学部附属病院リハビリテーション部
3前 高知大学医学部附属病院リハビリテーション部
キーワード:
運動
,
行動変容
,
行動科学
,
応用行動分析学
,
理学療法
Keyword:
運動
,
行動変容
,
行動科学
,
応用行動分析学
,
理学療法
pp.284-291
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100269
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運動行動の変容を促そう
筆者らの専門である理学療法の領域では,近年,理学療法士が行う治療(運動療法,物理療法など)の効果を適切に得るために,行動分析学(行動主義的心理学)1)の応用部門である応用行動分析学2~4)の観点からのアプローチが啓蒙されている(図1).応用行動分析学は,行動の問題を患者自身に帰着させずに環境(他者)に求めていき,患者の望ましい行動を得るうえで,他者からの関わり方を絶えず追求する点から非常に前向きな実践的学問体系ということができる.
行動とは,「観察可能な反応や行為(広辞苑)」であり,運動行動の変容を促すということは,その患者の日常生活動作以外の身体的活動を目に見えて増加させるということである.まずは,患者の運動行動を発現させ,治療として有効な運動課題を遂行してもらうことが必要である.次いで,教育入院・外来の場面を想定すれば,病院内での患者の行動(運動療法を行う)が,退院後,在宅でも維持されるよう,行動が転移されるようにサポートすることが必要になり,そのためのアプローチについて行動科学の理論,モデル,スキル5~6)を用いることは有用である.
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