特集 慢性腎臓病と理学療法
慢性腎臓病患者に対する理学療法の可能性
松沢 良太
1
,
松永 篤彦
2
Ryota Matsuzawa
1
1北里大学病院リハビリテーション部
2北里大学医療衛生学部
キーワード:
慢性腎臓病
,
腎不全
,
透析
,
運動
,
理学療法
Keyword:
慢性腎臓病
,
腎不全
,
透析
,
運動
,
理学療法
pp.699-705
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106716
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はじめに
本邦における末期腎不全患者の多くは高齢,長期透析例であり,糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病者の終末像であることから,疾患管理が極めて難しい.特に生活習慣病を原因として血液透析導入となった患者の場合,脳血管疾患,心大血管疾患あるいは運動器疾患を高頻度に合併している.また,透析導入前の慢性腎不全期にみられる身体不活動は日常生活活動に障害を来すだけでなく,腎機能障害の進行を早めることや死亡リスクの増加につながることも指摘されている.そのため,腎不全患者に対して理学療法士が介入する必要性は高いと言える.
本稿では,末期腎不全患者および慢性腎不全患者に対する理学療法の役割や実施上の注意点について述べ,腎不全患者に対する理学療法の可能性について考えたい.
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