特集 増える超高齢者への医療
超高齢者のケアのコツ
⑫栄養―人工栄養,中心静脈栄養,ターミナルケア
葛谷 雅文
1
1名古屋大学大学院医学系研究科(老年科学)
キーワード:
体重変動
,
食欲
,
身体計測
,
うつ
,
認知症
Keyword:
体重変動
,
食欲
,
身体計測
,
うつ
,
認知症
pp.149-151
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100236
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超高齢者の栄養状態の特徴
高齢者,とくに脆弱な超高齢者では高頻度で栄養障害が認められ,実際療養型病床群などでは30~50%が,在宅療養中の高齢者では約30~40%が低栄養状態であることが報告されている.低栄養は患者の免疫能を低下させ,重篤な感染症に陥りやすくさせたり,疾病の治癒を遅くさせたり,褥瘡を引き起こしたりし,多くの報告により高齢者の予後に左右する重要な因子の一つである.その要因にはさまざまなものがあり,表1に代表的なものをまとめた.臨床の現場ではそのようなリスクを早急に察知し,低栄養を予防する必要がある.いったん高度低栄養に陥ればその回復はきわめて困難である.
人工栄養
脳血管疾患後,さらには認知症の末期などでは嚥下障害を伴うことが多く,胃瘻経管,または経鼻胃管を介する経腸栄養をせざるを得ないことがある.経腸栄養剤の投与量に関しては画一的に投与するのではなく,患者ごとに投与量を設定すべきである.
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