なくても，ある

病歴

主訴：意識障害．

現病歴：ADL自立の90歳の女性．入院1年半前と半年前に1度ずつ意識障害があった．入院2カ月前より徐々に頻度が増し，入院1週間前には，2日間連続する意識障害がみられた．意識障害が起こる前日には，全身倦怠感や手がふるえるなどの予兆があった．意識障害はいつも起床時よりみられ，腹臥位でいるか，坐位で頭の中で何かが起こっているかのように頭を抱え，他人が触ろうとすると手足に力を入れて「痛い」という状態であった．意識障害時，呼びかけに対して反射的にうなずくことはあるが，記憶ははっきりしていない．便失禁はみられることがあったが，舌咬傷はなかった．翌朝には症状は消失していたが，頻度が多くなると，その都度はっきりした意識の覚醒をみないまま増悪軽快を繰り返すようになった．外来にて頭部CT，頭部MRIを施行するが特記すべき異常がみられず，精査目的に入院となった．

既往歴：特記事項なし．アレルギー；なし．家族歴；特記事項なし．喫煙歴；80歳まで吸っていた（詳細不明）．便通；3カ月前より便秘傾向．飲酒歴；なし．渡航歴；なし．服薬歴；メコバラミン，酸化マグネシウム．