皮膚科医直伝Ⅱ 教科書では教えてくれないコツ[9]
薬疹 危機一髪!―その一言が運命の分かれ目―対処方法マニュアル
中村 健一
1
1あゆみの皮フ科医院
pp.711-714
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100146
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「このお薬,副作用はありますか?」
患者が主治医を覗き込む.
「副作用のないお薬はありませんよ」「かぜ薬だって薬疹を起こします.だからあるといえばあるし,ないといえばないし,まあ,運の問題ですね」「このお薬は○○のような副作用があるといわれていますが稀です.ご安心を」「副作用はめったに起こさないお薬です.生じるとしても軽いものです.ご安心ください」「副作用のことを詳細に説明するには大変時間がかかります.詳しくはこちらのプリントをお読みください(といって薬の副作用に関するプリントをみせる)」「大丈夫ですよ(というだけ)」
さあ,読者諸氏はどう対応しているでしょうか?
実は,このように質問する患者はかえって楽なのだ.実際に発症した時,患者側にある程度の「覚悟」があるからだ.ところが,実際は事前に何も説明しなかった患者に薬疹を生じさせてしまうことが多い.そんな場合が問題だ.とくに患者と関係する医師とのコミュニケーションは,どのような点に注意すればよいだろうか?
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