昨日の患者
重き一言
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1570
発行日 2011年11月20日
Published Date 2011/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103855
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- 文献概要
病院には社会を構成する種々の職種の人が来院し,そして闘病生活を送っている.患者として入院していても,ときに職業意識が目覚めることがある.
30歳代前半のSさんは高校の先生である.仕事熱心で,下血が続いても痔からの出血と独断し,検査を受けることもなく売薬で経過をみていた.しかし,イレウス症状が生じたため,当院を受診した.内視鏡検査では直腸に全周性の腫瘍を認め,それより口側への内視鏡挿入は困難であった.さらに,CT検査では肝臓に多発性の転移を認めた.そこで直腸前方切除術と癌化学療法を行うため入院した.
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