皮膚科医直伝Ⅱ 教科書では教えてくれないコツ[7]
尋常性痤瘡(ニキビ)治療最前線 ケミカルピーリングというワザがある
中村 健一
1
1おゆみの皮フ科医院
pp.527-530
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100109
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「先生!ニキビにいいお薬ありますか?」
自分の妹か娘のような患者から診察の「ついで」に頼まれる.若者に生じる疾患,それが尋常性痤瘡(ニキビ)である.乳幼児や高齢者には通常生じない.「この医院はニキビを治してくれるよ」というクチコミが広がれば,外来待合室は若い美男美女であふれかえる.まるで原宿の繁華街の雰囲気だ.活気があり,なんだか自分も若返ったような気になる.
さて,尋常性痤瘡を理解する基本は以下の3つである.
①毛穴の閉塞と皮脂の貯留
②アクネ桿菌の増殖
③炎症システムの悪循環
思春期にはこの3つが同時に生じる.どれが増悪の火付け役であるか? 諸説ありはっきりしない.アクネ桿菌の増殖だから尋常性痤瘡は感染症か? それは違う.抗生物質を内服してもそれほど改善しない.単に皮脂の毛穴貯留か? それも違う.皮脂を解決できても発赤は引かない.原因がまだはっきりしないし,治療も難渋する.とても奇妙な疾患なのだ.
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