--------------------
尋常性痤瘡とグルクロン酸
塚田 進
1
,
愛川 篤信
1
1東北大学医学部附属病院 長町分院皮膚科泌尿器科
pp.289-293
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201419
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はしがき
尋常性痤瘡の療法は食餌の欠陥,ビタミン欠乏胃腸障碍,貧血,過・疲労,代謝障碍,月経異常内分泌障碍,Psychosomatic disorder等種々の点を顧慮して工夫按配せられる。これは最近谷奥1)が東大皮膚科で現に行われている治療法について種々あげているのをみてもわかる。実際のところ尋常性痤瘡の療法にはきめ手のないのが現状であろう。ところで私共は一婦人の頑固な,永年に亘る本症に考えられる多くの療法を試み,ビタミン剤や抗生物質の如きも種々且つ充分に投与したにも拘らず,一時的軽快はあつても結局再燃を防止出来なかつた際,これにグロンサンを使用したところ意外に偉効を奏し,さしも頑固な痤瘡を遂に治癒に到らしめた。これを契期に私共は些か症例を蒐め得たので報告し卑見を陳べてみたい。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.