①多剤耐性結核

多剤耐性結核（multi-drug resistant tuberculosis）菌は，少なくともINH（イソニアジド），RFP（リファンピシン）の両薬剤に対して耐性を示す結核菌で，その治療には難渋することが多い．治療を受けたことがない「未治療耐性例」と，すでに治療を受けている「既治療耐性例」に分類される．わが国において多剤耐性結核は，1997年の結核療法研究協議会の調査^1）では，初回治療例の0.8％，再治療例の19.7％と報告されており，前回調査と比較し増加傾向にある．