特集1 新薬で変わる感染症治療
◉新薬上市後の変化とさらなる治療展望
①多剤耐性結核
-―ベダキリンの臨床使用
露口 一成
1
1国立病院機構近畿中央呼吸器センター 臨床研究センター 感染症研究部 感染症研究部長
キーワード:
ベダキリン(BDQ)
,
多剤耐性結核
,
超多剤耐性結核
,
QT延長
Keyword:
ベダキリン(BDQ)
,
多剤耐性結核
,
超多剤耐性結核
,
QT延長
pp.162-167
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000053
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Summary
ベダキリンは2005年に報告されたジアリルキノリン系新規抗結核薬である。従来の抗結核薬とは交差耐性を持たず,多剤耐性結核菌にも有効であり,また多くの非結核性抗酸菌にも活性を示す。多剤耐性結核に対して,従来の抗結核薬との併用による臨床試験でプラセボに比して優れた効果を示し,2012年に米国,2018年に日本で承認された。副作用としてはQT延長が問題となる。以後の多剤耐性結核に投与された多くの報告でも,治癒率の向上,優れた忍容性が示されている。今後は非結核性抗酸菌症に対する使用なども期待される。
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