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Current Opinion
多剤耐性結核・超多剤耐性結核の治療
Treatment of Multiple-drug Resistance and Extensively Drug-resistance Tuberculosis
佐々木 結花
1
Yuka Sasaki
1
1公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸器センター
1Respiratory Disease Center, Japan Anti-tuberculosis association, Fukujuji Hospital
pp.731-736
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206000
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最近の多剤耐性結核・超多剤耐性結核の治療をめぐる話題
多剤耐性結核(multiple-drug resistance tuberculosis;MDR-TB)はイソニコチン酸ヒドラジド(isonicotinic acid hydrazide;INH),リファンピシン(rifampicin;RFP)両剤に耐性を認めるものとし,耐性基準は1%小川培地にてINH 0.2μg/ml,RFP 40μg/mlに耐性を示す.超多剤耐性結核(extensively drug-resistance tuberculosis;XDR-TB)は,MDR-TBに加え,カナマイシン硫酸塩(kanamaycin sulfate;KM)などのアミノグリコシド系注射薬,ニューキノロン剤,本邦ではレボフロキサシン水和物(levofloxacin hydrate;LVFX)に耐性である.
結核治療領域でここ数年内のトピックは,MDR-/XDR-TBにおける新薬の登場である.本邦では,2014年9月に「デルティバ®」が上梓されMDR-/XDR-TB治療に感染症法で定められた医療費申請が可能となったこと,次に,2015年8月に「クラビット®」錠およびその後発医薬品に対して効能追加に係る承認事項一部変更承認により「肺結核およびその他の結核症」の適応が認められ,2016年1月に結核医療の基準が変更となり感染症法における医療費の公費負担可能な薬剤となったこと,である1).LVFXは本邦でも保険収載以前から結核医療に用いられてきたが,保険収載・公費負担の実現は患者の立場から朗報である.
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