特集 結核を見逃すな!
ミニレクチャー
②肺外結核
藤田 明
1
1東京都立府中病院呼吸器科
pp.404
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100100
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活動性肺結核の分類が1996年に改正され,肺外結核には,結核性胸膜炎,肺門リンパ節結核,粟粒結核をも含むようになった.2003年の統計では,新登録結核患者31,638人のうち肺外結核は6,160人(19.5%)で,内訳は,結核性胸膜炎4.9%,肺門以外のリンパ節結核4.2%,粟粒結核2%,腸結核0.8%,脊椎結核0.8%,骨結核0.7%,結核性髄膜炎0.5%,などである(重複あり).肺結核を伴う例も少なくないが,肺外結核のみの場合には,当初,悪性腫瘍を疑われやすいため,診断の遅れに注意が必要である.性別では,リンパ節,腸,脊椎,粟粒,皮膚の結核は女性に多く,リンパ節結核の男女比は約1 : 2である.小児や免疫機能障害者においては肺外結核を発生しやすい傾向があり,とくにHIV感染結核は約6割が合併していると報告されている.肺外結核に対しても,肺結核に準じて標準的化学療法を開始するが,骨結核と結核性髄膜炎については期間延長(9~12カ月)を勧めるエビデンスがある.また,外科療法が選択される場合には術前2~3カ月間,化学療法を実施してから手術を行う.以下,胸郭病変以外の代表的な肺外結核について解説する.
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