診断推論研究の最前線[10]
診断推論能力の評価ツール
大西 弘高
1
1東京大学医学教育国際協力研究センター
pp.78-82
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100021
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診断推論能力を評価する方法は多岐に及びますが,これらの分類を試みた文献は,国内外を含めてもあまりみられないようです.今回は診断推論能力の評価ツールの分類を試みたいと思います.前半ではいくつかの筆記試験に関するまとめを,後半では実地評価についていろいろなオプションを含めて議論したいと思います.
筆記試験
●multiple choice questions(MCQ)
わが国では,医師国家試験にMCQが使われるようになり,客観テストが非常に広く利用されるに至っています.客観テストの利点は,採点に主観が全く入らず,機械的な採点が可能になることでしょう.その結果,試験終了から結果発表までの時間が短くなり,学習者にとってはどこが弱点かを早く知ることができますし,教育者にとっては早いうちに教育内容の変更を考慮でき,合否判定が早くなるという利点があります.また,各問題に受験者が割く時間が短いため,問題数を増やすことが可能であり,テスト全体としての信頼性が高められます.
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