レビューでわかる! いまどき診療エビデンス 4
蛋白尿の診断と治療
遠藤 正之
1
1東海大学医学部付属病院腎内分泌代謝内科
pp.72-76
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100020
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蛋白尿の原因をわかりやすく説明してください.
蛋白尿には主に3つのタイプがある.糸球体性蛋白尿,尿細管性蛋白尿,そしてオーバーフロー蛋白尿である.一般の健康診断の検尿では試験紙法(アルブスティック)が広く用いられているため,健診で尿の異常が発見されるのは糸球体性蛋白尿(アルブミン尿)である.試験紙法による尿検査では(±)が尿中アルブミン濃度5 mg/dl,(+)が30 mg/dl,(++)が100 mg/dl,(+++)が300 mg/dl以上に相当する.健常者では1日の尿蛋白は150 mg以下であり,このうちの20%未満がアルブミンである.したがって,健常者の随時尿のアルブミン濃度は3 mg/dl以下である.
現在,わが国で増加している糖尿病の重要な合併症である糖尿病腎症早期の微量アルブミン尿は通常の試験紙法では検出できない.さらに尿細管性蛋白尿やオーバーフロー型蛋白尿も試験紙法のみでは見逃される危険がある.したがって施設によってはスルホサリチル酸法による検査を組み合わせる所もある.また糖尿病腎症の早期発見のためには微量アルブミン尿定量検査(免疫比濁法)を行う.
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