連載 EBN実践につなげる! 栄養疫学研究最新トピックス⑬
子どもの食事を“測る”評価ツール
-8日間食事記録との比較による妥当性の検証
大久保 公美
1
Hitomi Okubo
1
1東京大学大学院 医学系研究科 栄養疫学・行動栄養学
キーワード:
子どもの食事
,
BDHQ15y
,
秤量式食事記録法
,
妥当性評価
Keyword:
子どもの食事
,
BDHQ15y
,
秤量式食事記録法
,
妥当性評価
pp.274-280
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn148020274
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
子どもの食事を正確に把握することは容易ではない.学童期から思春期にかけて,身体的・精神的発達とともに食習慣も大きく変化し,自立的な食の選択や友人・家族の影響により食行動は多様化する.さらに,記憶力や時間感覚の未熟さから食事内容の想起は不正確になりやすく,食習慣の正確な把握はいっそう困難となる1).しかし,この時期に形成された食習慣は成人後も持続しやすく,将来の健康リスクに影響を与える2).そのため,学童・思春期の食生活を適切に評価することは,臨床や学校保健,公衆衛生の観点からもきわめて重要である.
従来の食事記録法や24時間思い出し法は精度が高い一方,対象者や調査者の負担が大きく,日常的な活用や大規模調査には不向きである3).その代替として,簡便かつ効率的に習慣的な摂取状況を把握できる食事質問票の活用が注目されている.成人向けの質問票は多くの妥当性研究が行われてきたが,学童・思春期にそのまま適用するには限界があり,発達段階に応じた調整が必要になる.この課題に対応して日本で開発されたのが,小中高生を対象とした簡易型食事歴法質問票(brief-type diet history questionnaire for Japanese children and adolescents:BDHQ15y)である.これまで一部地域や年齢層で生体指標を用いた限定的な妥当性の検討はあるものの,栄養素や食品群全般の摂取状況の評価精度や幅広い年代への適用可能性については十分に検証されていない.
本稿では,6~17歳を対象に8日間秤量食事記録法と比較して,BDHQ15yの相対的妥当性を評価した研究を紹介する4).

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

