連載 現場で使える!健康教育ツールを開発しよう・6【最終回】
評価:開発したツールを評価しよう―より良いツールにつなげるための最終ステップ
金子 典代
1,2
1名古屋市立大学大学院看護学研究科
2エイズ予防財団
pp.288-293
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100959
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いよいよ6回にわたる連載も最終回になりました。今回は,開発のステップの最終段階である「評価」とその方法について取りあげます。評価の段階では,これまでニーズアセスメントにもとづき計画し開発してきたツールが,どの程度,対象者の行動変容に効果があったのか,つまり狙っていた目標を達成できたのか,どこを工夫すればさらに効果のあるツールに改善できるのかを明らかにしていきます。説得力のある評価資料を出すことは,健康教育,保健指導などあらゆる保健師活動の場面で以前にも増して求められています。しかし予算や人手がない,アンケート調査を行うにも何人に対して,どのような項目で聞けばよいのか,どう分析するのかなど,評価に苦手意識をもっている方も多いのではないでしょうか。
評価をどのように行うかというのは,計画段階である程度考えておく必要があることを第2回で述べました。そして前回では,実際にツールを使っていくプロセスで行う評価の方法とその結果の使い方について解説しました。ツールの開発の各段階で行う評価をまとめると図のようになりますが,今回はとくにツールを使うことで対象者の何が変わったのかを明確にする「影響評価」「効果評価」に焦点をあてたいと思います(言葉の定義として,影響評価のことを開発したツールが目標とした対象者の知識,態度,信念,行動に対してどのような効果を与えたかを評価すること,効果評価のことを開発したツールとプログラム内での活用が対象者の健康状態や生活の質に対してどのような影響を与えたかを明らかにすること,と定義します)。
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