増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
B.腹腔鏡下手術
腹腔鏡下副腎摘除術
中川 健
1
,
村井 勝
1
Ken Nakagawa
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科
pp.63-66
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903186
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1 はじめに
内視鏡下副腎摘除術は,腹腔鏡下副腎摘除術に後腹膜腔鏡下副腎摘除術を加え,低侵襲手術として副腎腫瘍に対する標準術式となりつつある1)。しかし,外筒管留置や気腹操作,限られたスペースでの手術操作など,内視鏡手術特有の合併症が存在する。表1に慶應義塾大学泌尿器科における内視鏡下副腎摘除術の合併症を示すが,血管損傷などでは,開腹手術に移行せざるをえない場合もある。さらにいえば,腹腔鏡操作に慣れない術者や新規術式導入時に合併症が集中する傾向にあり,予防,対策も含めた内視鏡下副腎摘除術の合併症に対する知識不足が原因の1つといえよう。
本稿では,内視鏡下副腎摘除術のなかでも,より一般的な腹腔鏡下副腎摘除術を中心に,その合併症と予防,対策について述べていきたい。
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