カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・26
腹腔鏡下副腎摘除術
東原 英二
1
1杏林大学医学部泌尿器科
pp.1215-1220
発行日 1994年10月20日
Published Date 1994/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901639
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はじめに
副腎摘除術の歴史のうえで,腹腔鏡下副腎摘除術の開発は従来の副腎摘除術の欠点を補う画期的なものである1-6).本邦では世界に先駆けて腹腔鏡下副腎摘除術が行われたが,われわれの腹腔鏡下副腎摘除術の症例報告は1),学術雑誌に手紙の形式ではなく発表されたものとしては最初ではないかと考えられる.この術式は副腎摘除術の発展の歴史のうえから有意義であるのみならず,腹腔鏡手術のなかでも,腹腔鏡手術の利点をよく発揮している手術法である.それには以下のような点が挙げられる.
(1)皮膚・筋肉切開が小さく,肋骨の切除を必要としない.4か所のトロカール孔のうち1か所は臍上縁であるので,術後創が目立たない.
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