増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅹ.メディカルエッセイ
泌尿器科外来診療—直腸診教育
金武 洋
1
1長崎大学医学部泌尿器科
pp.28
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902884
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近年の超音波検査,CT,MRIなどの画像診断技術の進歩は,これらの検査法がなかった時代に教育を受けた者にとっては驚くばかりである。今はさらに進んで,コンピュータソフトに血液生化学的データをインプットすれば,直ちに診断ができるところまできているという。われわれが学生時代に学んだ数倍もの知識を習得せねばならない現在の学生は,本当に大変だと同情している。
記憶力に限界があるわれわれ凡人にとっては,コンピュータ解析による診断および治療法の提示はそれなりに魅力のある方法と思われる。しかしこの方法だけに頼っては,病を治すと同時に個人の魂(内面的な悩み)を癒すことができるか疑問である。外来紹介を受ける患者さんの多くは,画像診断が既に付いていることがほとんどであり,とかく患者さんの内面的な悩みを無視しがちである。このことは,自戒を込めて学生教育に携わっている立場で反省しなければならないことと思っている。
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