連載 OBSTETRIC NEWS
Evidence-Based Medicine
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1318-1320
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902700
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多くの医学研究が紹介され,医学の進歩に貢献している.しかし.大量に紹介される研究結果の何を日常診療に取り入れてゆくかは難しい問題である.そのような状況下に近年,欧米では「医療のcost-effectiveness」,“evidence-based medi—cine”が重要視されている,米国産婦人科医協会(ACOG)は卒業教育コースを年間20回以上行っているが,そのコースに,1995年になって初めて“cost-effective and evidence-based obstetricpractice”が登場し,アカプルコ(メキシコ)に約80名の米国産婦人科医が参集して講義が行われた.「子宮収縮抑制剤は早期産を減少させられるか?」,「周産期におけるトキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症を予防する方法」,「妊娠中の安静はcost effectiveか?」,「スクリーニングテスト—何が有効で何が有効でないか」,「妊娠糖尿病スクリーニングを行うべきか?」,「分娩前のGBSスクリーニングを行うべきか?」,「妊娠中のヘルペスウイルス感染の予防方法」など16のテーマについてDooley(Northwestern大学)ら4名の講師が講義を行った.「(統計的に)信頼できる(できれば複数の)研究結果に基づいて,あらゆる医学的決断がなされなければならない」という点が基本である.
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