病院めぐり
新日鐵八幡記念病院泌尿器科
平野 遙
pp.738
発行日 1999年8月20日
Published Date 1999/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902737
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新日鐵八幡記念病院は,明治33年(1900年)10月に八幡製鉄所構内の一角に仮診療所を設置したのが発祥であり,約100年の歴史を持つ。翌明治34年に八幡製鉄所の操業が開始され,同時に八幡製鉄所附属病院と改称された。ついで明治41年に現在地(北九州市八幡東区春の町1-1-1)に新たに病院が建設され移転した。以後,北九州市内外にサテライト的な多数の診療所,結核療養所を包含しつつ,かつ消滅させつつ発展して,高等看護学院を有する総合病院として現在に至っている。なお平成9年6月1日より新日鐵から分離独立し,現在のごとくに病院名を変更したが,病院経営は順調である。当院入院定床数は453名に設定され,駐車場も520台収容可能で,近々広大な病院敷地内のスペースに新病棟(9階建)が完成し,移転の予定である。
泌尿器科は,製鉄所開設当初よりいわゆる"皮膚・泌尿器科"として発足し,主に淋疾・尿路結石・尿路性器結核を取り扱ったようであるが,昭和43年に永芳弘之先生が泌尿器科長として就職し皮膚科と分離した。永芳先生は,当時としては最新ともいえる腎血管性高血圧症,原発性アルドステロン症,小児の後腹膜liposarcomaの手術を行っている。さらに,それまで九州大学医学部泌尿器科でも成功がみられなかった精管結紮後の精管再開通術に成功し,多くの挙児を得てその手術法を確固たるものにした。
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