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結石馬蹄鐵腎
須賀 淸次郎
1
1愛媛縣病院皮泌科
pp.155-157
発行日 1948年10月1日
Published Date 1948/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200108
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馬蹄鐵腎の病理解剖學的特徴を要約すれば、畸型腎分類上癒合腎に屬す。即ち橋梁部を以て左右腎相連續し、名前の如く馬蹄鐵状を呈してゐる。橋梁部は腎實質の場合もあり、纎維性の場合もある。腎門は前方に轉じ總て輸尿管は必ず腎臟の前面を通過する事になる。腎臟の位置は多くは正常位よりも低く、橋梁部は腹部大動脈、下大空静脈の前面に位置してゐる。又橋梁部がある爲に異常血管の出入が多いものである。この馬蹄鐵腎は昔は解剖或は手術の際に偶然に發見せられる事が多かつたが、近年はピエログラフイーの發達普及につれて、臨床方面からの報告は近年その數を増し、現在この方面のみで60例内外の報告があり、既に稀有の範圍を脱しつつある。
私の茲に報告する例は、結石馬蹄鐡腎で、結石除却の目的で半腎を剔出したものである。その大要と共に、文献にあらはれた2・3の事項に就き考察し諸賢の御批判を仰ぎ度い。
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