Japanese
English
方法と装置
鐵の肺
Iron Lung.
堤 直温
1
Naoharu TSUTSUMI
1
1國立東京第一病院整形外科
1Dept. of Orthopedic surgery, National Tokyo Hospital
pp.166-168
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200099
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急性灰白髄炎による死亡の届出數は1ヵ年間に約500名であるが,その大部分は呼吸筋の麻痺によるものである。呼吸筋麻痺が起つた時にはすぐに人工呼吸を行わなくてはならないが,呼吸筋麻痺の回復には數週間或はそれ以上を要することがあるので普通の徒手人工呼吸をこんな長い期間連續して行うことは不可能である。
ランドリー型麻痺においては脊髄下部から上部に向つて進行するために,四肢の麻痺に續いて呼吸筋の麻痺が來る。脊髄の運動神經細胞はその際チグロリーゼからネクロリーゼの種々の段階にあるが,ネクロリーゼ以外は回復されるものであるから,人體に必要な呼吸運動を何等かの方法で行うならば時を得て筋の機能は回復して來て,再び自ら呼吸運動を行うことが可能となり得る。この考えの下に機械的な人工呼吸機として作られたのが所謂鐵の肺である。
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