増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
7.腎移植
腎移植
徳本 直彦
1
,
田邉 一成
1
,
東間 紘
1
Tadahiko Tokumoto
1
1東女医大腎臓病センター泌尿器科
pp.289-296
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902613
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1 はじめに
腎移植は慢性腎不全の根治的治療であり,QOLの面からも透析療法より優れている。しかし,免疫抑制剤は腎移植が生着しているあいだ生涯服用しなければならず,その維持量になるまでの数か月は拒絶反応の抑制と治療,合併症や薬剤の副作用の予防が特に大切となる。これら拒絶反応や合併症をいかに早期に発見し予防することができるかによって患者の予後が決まってしまうといっても過言ではない。よって,腎移植後の画像診断の重要性は拒絶反応や合併症を早期に的確に発見することにある。
腎移植後の主な合併症としては,感染症,外科および泌尿器科的合併症,高血圧,高脂血症,肝障害,糖尿病,消化管出血,白内障および大腿骨頭壊死などが挙げられるが,本稿では拒絶反応,肺炎,泌尿器科合併症,血管系合併症,その他の合併症について各病態ごとの画像診断について述べる。
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