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増刊号 腎代替療法のすべて
【第10章 腎移植】
2 レシピエント ③手術 1)腎移植
Kidney transplant recipient
徳本 直彦
1
Tokumoto Tadahiko
1
1獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科/移植センター
キーワード:
腎移植(kidney transplantation)
,
血行再建術(renal artery reconstruction)
,
尿管膀胱新吻合術(ureteral bladder neoanastomosis)
Keyword:
腎移植(kidney transplantation)
,
血行再建術(renal artery reconstruction)
,
尿管膀胱新吻合術(ureteral bladder neoanastomosis)
pp.646-650
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000518
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はじめに
腎移植レシピエントは,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者であり,手術に際して動脈硬化や心機能障害,糖尿病などの合併症をもっていることも少なくない。よって腎移植手術は,ドナーおよびレシピエントの術前評価により症例に応じた腎移植を行うことが重要である。腎移植術は主に,① 移植床の作製,② バックテーブル(移植腎灌流・血管形成),③ 腸骨動静脈への血管吻合,④ 移植尿管膀胱新吻合の4つの手順で行う。ドナーおよびレシピエントともに良好な移植条件であれば手術的な困難は少ないが,時にドナー腎に複数腎動脈が存在し,レシピエント移植床の動脈硬化が著しい場合などの腎移植では,術前より移植時にどのように血管形成し吻合するかを綿密にシミュレーションすることによって術中術後合併症の発生を抑えることにつながる。また,尿管膀胱新吻合術は,膀胱外アプローチによるLich-Gregoir法で行っている施設が多く,本稿ではこれら術式について概説する。
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