小さな工夫
腸骨鼠径神経を損傷しない鼠径管への到達法
西澤 秀治
1
,
徳江 章彦
1
1自治医科大学泌尿器科
pp.531
発行日 1998年6月20日
Published Date 1998/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902365
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停留精巣や精巣腫瘍などの鼠径部の手術は泌尿器科研修医の手がける手術である。腸骨鼠径神経(以下,神経)は鼠径管内を精索に伴走しているが,術中に誤って切断されることも稀ではない。この神経は鼠径部,大腿上内側,陰嚢前面皮膚の知覚をつかさどり,損傷すると稀に術後疼痛の原因となる(nerve entrap-ment)。小児の手術の際は特に神経を温存する注意が必要である。神経走行の解剖を理解して適切な手技を行えば,損傷の危険性はかなり低減できる。
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