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特集 ヘルニア—最新の治療
低侵襲腹膜前到達法による鼠径ヘルニア手術
Minimally invasive,nonlaparoscopic,preperitoneal,and sutureless,inguinal herniorraphy
柵瀨 信太郎
1
Robert D Kugel
2
1聖路加国際病院外科
2The Hernia Treatment Center
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
腹膜前到達法
Keyword:
鼠径ヘルニア
,
腹膜前到達法
pp.1067-1072
発行日 2002年8月20日
Published Date 2002/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904942
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理想的なヘルニア手術法開発に向けての努力が実り,近年非常に進歩がめざましかったと言える.しかしながら,ヘルニア手術や,より新しい修復方法に関心が高まっているなか,大抵の外科医は現在用いられている方法に十分満足しているとは言い難い.
この修復法は少ない器具で,コストもかからず,局所麻酔下に実施する腹膜前到達法である.これはごく小さな切開で行われ,縫合を伴わないtension-free修復法である.初発および再発の外,内鼠径ヘルニアおよび大腿ヘルニアに対しても同一の方法を用いて治療し,効果をあげている.
54か月間に行った808例のヘルニア修復術で,わずか5例に再発が確認されただけである.創傷感染は2例にのみ認められた.術後,患者の活動については特に制限を設けなかった.患者のほとんどが術後数日以内に仕事などの通常の諸活動に戻ることができた.
費用,手術の容易さ,および早期回復という観点からすると,この手術法による成績は従来のものに比べより効果的なヘルニア修復方法であることを示唆している.
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