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特集 泌尿器科領域における分子生物学の臨床応用:治療編
尿路結石症の分子生物学と治療への試み—オステオポンチンからのアプローチ
Molecular Biological Mechanism of Urolithiasis
藤田 圭治
1
,
郡 健二郎
1
Keiji Fujita
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科
キーワード:
オステオポンチン
,
アンチセンス
,
ビスフォスフォネート
Keyword:
オステオポンチン
,
アンチセンス
,
ビスフォスフォネート
pp.481-489
発行日 1998年6月20日
Published Date 1998/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902357
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尿路結石の有機成分にオステオポンチン(OPN)が存在する。OPNは正常の腎臓では尿細管細胞に存在し,ラットに対して結石形成作用のあるもの(グリオキシル酸,副甲状腺ホルモンなど)を投与すると発現が増加し,抑制作用のあるもの(猪苓湯,ビスフォスフォネートなど)を投与すると発現が減少した。また,ラット腎尿細管培養細胞でOPN発現をアンチセンスを用いて選択的に抑制したところ,蓚酸カルシウム結晶と細胞との接着が著明に減少した。腎尿細管でのOPNの発現を阻害すると結石形成を抑制する可能性が示唆され,分子生物学的手法を用いて猪苓湯などの作用機序を示唆し,ビスフォスフォネートの臨床応用の可能性を呈示した。
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