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特集 泌尿器科領域における分子生物学の臨床応用:治療編
腎細胞癌の遺伝子治療
Gene Therapy for Renal Cell Carcinoma
笠岡 良信
1
,
中本 貴久
1
,
碓井 亞
1
Yoshinobu Kasaoka
1
1広島大学医学部泌尿器科
キーワード:
腎細胞癌
,
遺伝子治療
Keyword:
腎細胞癌
,
遺伝子治療
pp.473-480
発行日 1998年6月20日
Published Date 1998/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902356
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遺伝子治療とは,疾患の原因となっている遺伝子異常を修復し疾患を根本から治癒に導く治療法である。最近,癌が遺伝子の異常に基づく遺伝子疾患であることが明らかになり,癌に対する遺伝子治療が試みられている。米国では腎細胞癌に対する遺伝子治療の臨床試験が開始されたが,遺伝子を導入し修復するための技術的問題や真に修正すべき遺伝子異常が解明されておらず,満足すべき成果は得られていない。癌に対する遺伝子治療は始まったばかりであり,今後は標的細胞で目的とした遺伝子が修復可能となるような遺伝子導入法やプロモーターの開発といった基盤研究のほか,この治療法が何らかの劇的な発見により,標準的で決定的な治療法となることを期待している。
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