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オステオポンチンの内耳での役割
阪上 雅史
1
,
嶽村 貞治
2
1兵庫医科大学耳鼻咽喉科学教室
2市立堺病院耳鼻咽喉科
pp.851-858
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901436
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I.オステオポンチン(osteoPontin:OPN)
オステオポンチンとは,1985年に骨を形成する物質として見い出され1),そのアミノ酸配列の特徴から骨芽細胞(osteoblast:Os)とヒドロキシアパタイトを結ぶ橋(pons)のような働きを持つ糖蛋白質と考えられ,このように命名されている。OPNは骨化過程に関与している非コラーゲン骨基質蛋白であり,骨や歯の石灰化に重要な役割を果たしている2)。また,OPNは生化学的にacid-rich phosphorylated glycoproteinであり,Arg-Gly-Aspというアミノ酸配列を含むことから細胞接着3),連続Asp配列からCa2+との結合4)に関与することが報告されてきた。臨床上,OPNは尿路結石5)や大動脈粥状硬化6)などの病的な石灰化に関係していることも解明されている。
以上により,OPNは骨形成に関係しているだけでなく,多彩な機能を持っていることが想像される。本稿では主に,非コラーゲン骨基質蛋白であるオステオポンチン(OPN)をプローブとし,解像力の優れたnon-RI法によるin situハイブリダイゼーション法を用い,内耳におけるOPN-mRNAの発現を検討した。
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