増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅰ 上部尿路・副腎系の局所解剖
2.腎臓
腎の経皮的操作
田島 惇
1
Atsushi Tajima
1
1東京大学医学部泌尿器科
pp.58-61
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902031
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経皮的腎瘻造設,エンドピエロトミー(経皮的腎盂形成術),経皮的腎砕石・摘出術などの経皮的腎手術において手技上最も重要なことは,正しいルートで狙った腎杯を安全に穿刺することである。この穿刺と瘻孔作製が適切に施行されたなら,経皮的腎手術の9割以上は成功したといえるかも知れない。たとえば,エンドピエロトミーあるいは上部尿管結石摘出において,中腎杯,上腎杯へ瘻孔が設けられたなら,以後の手術操作は大変容易になる。
しかし,最下端の腎杯への穿刺・瘻孔を作製したなら,以後の手術操作はきわめてやりにくくなる(図1)。単に腎瘻のみ造設するのであれば,安全なルートで穿刺しやすい腎杯を狙えばよいが,経皮的腎手術では,それ以降の操作を考えて腎杯穿刺を行わなければならない1)。
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