画像診断
女性尿道憩室の1例
久保 雅弘
1
,
田口 恵造
1
,
井原 英有
2
,
生駒 文彦
2
1市立川西病院泌尿器科
2兵庫医科大学泌尿器科
キーワード:
女性尿道
,
尿道憩室
Keyword:
女性尿道
,
尿道憩室
pp.795-797
発行日 1996年9月20日
Published Date 1996/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901904
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患者 23歳,女性。
主訴 排尿時痛,残尿感。
現病歴 3か月に及ぶ強い排尿時痛を伴った難治性の膀胱炎のため近医より紹介された。
既往歴 9歳,右鼠径ヘルニア根治術。18歳,人工妊娠中絶術。
現症腟前壁に著明な圧痛を認めたが,明らかな腫瘤および圧迫排膿はなかった。
検査 血液生化学検査にて炎症反応およびその他,異常はなかった。尿沈渣では白血球5〜6/強視野。尿培養ではStaPhylococcuseoepider-midis 106/mlを認めた。尿細胞診は陰性であった。膀胱鏡では尿道全長および膀胱底部にかけて強い浮腫と発赤を認めた。エコーでは膀胱頸部から尿道の後方にhypoechoic massが認められた。
手術所見 画像検査にて膀胱の下部で尿道を三日月状に取り囲む尿道憩室を認め,経腟的憩室切除術を施行した。憩室内には膿汁が認められたが,結石や腫瘍は認めなかった。憩室が腫大していたため,憩室壁は可及的に切除し,ドレーンを留置,手術を終了した。術後憩室は消失し,合併症なく順調に経過している。
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