小さな工夫
腹腔鏡下手術における臓器牽引の工夫
坂本 亘
1
,
岸本 武利
2
1大阪市立総合医療センター泌尿器科
2大阪市立大学泌尿器科
pp.1055
発行日 1995年12月20日
Published Date 1995/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901655
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近年,多くの施設で腹腔鏡下の副腎や腎摘出術が施行されるようになってきている。この手術の最大の利点は、皮膚創部の傷が小さいことがあげられ,術後の痛みの軽減,入院期間の短縮,早期の社会復帰がもたらされる。通常,トロッカーは,光学視管用,術者の右手の鉗子用,左手の鉗子用と最低3本は必要であり,さらに,手術によっては,摘出臓器の牽引用,腸管の圧迫用と,計4〜6本のトロッカーが必要となる場合がある。確かに,腹腔鏡のトロッカーの傷は開腹の手術傷に比べ小さいが,あちこちに散らばるため見た感じ意外と汚い。よって,本手術の利点を考えると腹腔鏡においてもできるだけ最小限度のトロッカーの留置が考慮されるべきである。
そこで筆者らは,摘出臓器の牽引用として,以下の方法でトロッカーの数をできるだけ少なく腹腔鏡手術を施行している。
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