手術手技 基本的な手術・15
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赤阪 雄一郎
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1東京慈恵会医科大学
pp.553
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901547
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筆者らの施設では尿道全摘を必要とする症例は主として回腸導管術を行い,患者との話し合いによってKockまたはIndiana pouch,場合によってMainz IIによる尿路変向を行っております。
Kock pouchと本法の比較ではkock pouchは腸重積を2か所造ること,補強用のカフを含めて異物を使用することが挙げられる。筆者らもKock pouchで輸出脚の滑脱や,輸入脚不全からpouch切除+回腸導管を行ったことがあり,本法の手技が簡易であることは,大きな長所と考える。ただし本法は血流の比較的乏しい結腸を用いることに留意する必要があろう。結腸は明確な間膜を持たず,Toldtのfusion fasciaとなり後腹膜と一体化しており,この中を脈管系が流れている。したがってこの部の剥離操作は論文中で指適のある通り慎重に行う必要があり,特に静脈系の安易な結紮はうっ血から縫合不全になることがあり,注意が肝要である。
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