増刊号特集 小児泌尿器科診療
検査法の適応と評価
RI検査—腎機能およびVUR検査における有用性
野々村 克也
1
,
山下 哲史
1
,
小柳 知彦
1
,
伊藤 和夫
2
1北海道大学医学部泌尿器科
2北海道大学医学部核医学科
pp.78-84
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901159
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最近の核医学の分野における進歩として,ガンマーカメラの発達,経時的なRI-uptakeをコンピューター解析することでより詳細な情報が得られるようになってきたこと,新しいスキャン用製剤の登場があげられる。これらの進歩は小児泌尿器科の分野においても,分腎機能の定量化・腎瘢痕の有無などについて非侵襲的かつ詳細な情報を提供し,欠かすことのできない検査法の一つとなっている。本項の主題である腎の評価については,筆者らが日常使用している99mTc-DTPA(Technetium—99m—diethylenetriamine pentaacetic acid),99mTc-DMSA(dimercaptosuccinic acid)以外に,131I-OIH(orthodiodohippurate)や99mTc-MAG3(mercaptoacetyletriglycine)などの新しいスキャン用製剤が相次いで実用化されつつある。131I-OIHは腎血漿流量を反映して高度な腎機能障害を有する例でも評価可能とされ,すでに市販されている。99mTc-MAG3は131I-OIHよりも腎クリアランスは劣るものの同様に腎血漿流量を反映し,画像が良好であり使いやすいとのことから期待され,欧米ではすでに普及しつつあるが本邦ではphase IIIの治験段階である。
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