増刊号特集 小児泌尿器科診療
検査法の適応と評価
CT,MRI検査
津ケ谷 正行
1
,
林 祐太郎
1
,
佐々木 昌一
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科学教室
pp.85-90
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901160
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はじめに
小児泌尿器科診療の中でIVU(排泄性尿路造影)は基本的なX線検査であり,X線を生体に照射し,吸収されなかったX線によって感光された写真を日常的に診ている。X線CTスキャン(以下CT)はコンピュータで処理した横断像ではあるが,KUB, IVPと基本的には同じ原理のため,比較的馴染みやすい。ところがMRIでは原理が難しく,わかりやすく解説された書物でも専門外の者にとって難解である。また,T1強調画像,T2強調画像,スピン密度強調画像(プロトンデンシティー強調画像),Gd-DTPAによる造影画像,それに色々な断面を撮影した写真を並べると,どれがどれなのかパズルをしているようで,放射線科医のレポートを頼りに患者さんへ説明しようとしてもこのパズルの正解が得られないと,とんでもない間違いをしてしまう。このように写真を見てもわかりにくいため,より疎遠になるように思われる。筆者は泌尿器科医であり,MRIの原理については正直なところ余りよくわかっていない。MRIに興味を持った頃,しばしばMRI検査室に通って熱心な技師の方々から尿路性器はどのように描出されるのか教えていただいた。臨床医としては原理や理論よりその検査法がどのように使えるかといった応用面が重要となる。MRIの原理や技法などの詳細は成書に譲り,症例提示の中で筆者の経験とCTやMRIの活用を中心に述べる。
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