増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
腫瘍
進行期膀胱癌
井川 幹夫
1
,
上田 光孝
1
1広島大学医学部泌尿器科
pp.82-83
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900848
- 有料閲覧
- 文献概要
化学療法の現況
進行期膀胱癌に対する化学療法は,シスプラチン(CDDP)を中心とする多剤併用療法が一般的となり,なかでも1985年にStern-bergらが報告したメソトレキセート(MTX),ビンブラスチン(VLB),アドリアマイシン(ADM)およびCDDPの併用療法(M-VAC)は本邦においても優れた治療成績が得られている。化学療法剤の全身投与は,従来では遠隔臓器転移巣を対象としていたが,M-VAC療法は遠隔臓器転移巣に加えて,局所浸潤膀胱癌を対象に手術を前提としたネオアジュバント化学療法として,膀胱の温存あるいはその存在が推測される微小転移に対する効果を期待して行われる場合もある。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.