文献抄録
進行性膀胱癌の治療
pp.858
発行日 1981年9月20日
Published Date 1981/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203206
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膀胱癌で手術不能例,通常の治療後の再発例あるいは遠隔転移形成例はその予後は極めて悪く放射線治療の効果も極めて少ない。これらの症例に対して最近抗癌剤としてDoxo-rubin hydrochloride, Mitomycin C,5-Fluorouracil, Cyclophosphamideなどが単独で用いられて,30〜50%前後のresponses rateを得たとの報告はあるが,著者らは最近抗癌剤として注目を集めているcis-diaminedi-chloroplatinum(Ⅱ)とDoxorubi-cin, Cyclophosphamideの三者併用による治療を行なつて,従来みられなかつた好成績を得たとして報告している。この三者併用はマウスの実験膀胱癌に用いて薬剤の相乗効果を確認したからであるとしている。
臨床膀胱癌症例は25例で,何れも進行性癌症例で遠隔臓器,リンパ節,軟部組織などに径2cm以上の転移を確認した患者である。25例中根治的手術後再燃13例,放射線治療8例,手術不能7例である。3薬剤の投与量はCis-platinum 60mg/m2をHydrationとManitolと共に2時間で投与,Doxorubicin 40mg/m2静注,Cyclophosphamide 400mg/m2静注を1日で投与,この方法を4週毎に14回継続する。
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