日本泌尿器科臨床史・12
日本における尿石成因論の近代史—その2
友吉 唯夫
1
1滋賀医科大学
pp.260-261
発行日 1992年3月20日
Published Date 1992/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900561
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前回述べた小森桃塢(こもりとうう)(1782〜1843)の『病因精義』(1827)には,まだほかに尿石の成因についてかなり詳しい記述がある,前回と一部内容的に重複がみられるが,なかなか興味ぶかいことが書かれている.
まず,尿石の成分が何に由来するかということだが,それは飲食物中の塩分,土質,酸渋(じゆう),粘膠,油脂からであるとしている(図1).尿石形成開始期には微細な砂であるが,同質のものが相手を求めるように集まって結合していく.これはあたかも歯石の形成に相似していると述べている.
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