交見室
手術手技—経皮的腎瘻術を読んで,他
棚橋 善克
1
1東北大学
pp.356-359
発行日 1991年4月20日
Published Date 1991/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900304
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本誌43巻第10号に掲載されました,西村泰司先生の標記解説をたいへん印象深く拝見いたしました.といいますのも,数年前,西村先生と海外に出かけ,そのとき実際に先生の手技を見せていただくチャンスがあり,その鮮やかなテクニックに感動を憶えたからです.ところで,本誌第44巻9号での三木先生,宇佐美先生のご意見を拝見させていただき,この機会に私も意見を述べさせていただこうと筆を取った次第です.
さて,経皮的に腎瘻を作成する場合,もっとも注意すべき点は,腎と主要な血管を損傷しないようにするということだと思います.したがって,腎の血管支配を考えた場合,腎盂ではなく腎杯に直接針を刺す手技でなければならないというのが前提条件となります.水腎の程度が強ければ,どのような手技を選ぼうともあまり大きな間違いは起きないということは事実でありますが,水腎の程度が強くなければその手技も腎機能に対する障害を少なくするよう細心の注意が払われなければならないということです.
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