増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック
Ⅲ 尿路の処置・手術
経皮的膀胱瘻造設術,経皮的腎瘻造設術
松井 甫雄
1
,
高橋 淳子
2
,
久米 春喜
1
1東京大学医学部附属病院泌尿器科・男性科
2国立国際医療研究センター病院泌尿器科
pp.402-405
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201556
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
経皮的膀胱瘻造設術
適応
通常,腎から尿管を通って膀胱に至った尿は,尿道を通って体外へ排出される.しかし,外傷により尿道の管腔構造が損傷された場合や,前立腺肥大,腫瘍・線維化などにより,尿道が狭窄をきたした場合は,下部尿路通過障害が起きる.この状態を尿閉という.
尿閉に対する第一選択は,尿道カテーテルの留置である.尿道カテーテルの留置自体は通常は容易で,尿閉の解除も速やかに行える.しかし,時として,尿道カテーテル留置が困難なことがある.このようなケースは,女性であることはまれで,多くの場合は男性である.尿道カテーテル留置が難しい場合には,カテーテルの種類を変えたり(チーマンカテーテルの使用),スタイレットを使用したり,あるいは尿道膀胱鏡で鏡視下にガイドワイヤーを用いて,カテーテルの留置を試みたりする.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.