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2024年4月25〜27日,パシフィコ横浜にて,第111回日本泌尿器科学会総会(JUA2024大会長 : 新潟大学 冨田善彦教授)が開催されました.総会はパシフィコ横浜を会場に,「Beyond Boundary領域,境界,限界をこえて…」をテーマに掲げ,嗜好をこらした企画が目白押しでした.爽やかな海風が心地よい横浜の会場は,自然と都市が調和した魅力的な場所であり,海外からの参加や演題発表も数多く,会場の雰囲気も非常に国際色豊かに感じました(写真1,2).主管校らしいNIIGATAを感じる企画もいくつかあり,趣にあふれた大会だったと思います.また会期中にベイエリアで連日行われた情報交換会も大変な盛り上がりをみせ,有意義な時間となりました.今回JUA2024に参加し最前線で進む医学の変革を肌で感じることができ,多くの素晴らしい経験をさせていただきました.特に私が注目したのは,技術革新への探求,働き方改革や女性活躍推進,医療の国際化への挑戦についてです.自身が特に印象に残ったイベントや講演を僭越ながら紹介させていただきます.
総会の演題では,AIやICT技術を応用した医療研究についてのシンポジウムに興味を持ちました.日本腎臓学会を中心に進める病理画像へのAIを利用した研究は,クラスタリングされた病理画像に対して疾患ベースの可視化を行うなど,腎生検病理画像に対する最前線の取り組みを知ることができました.腎臓疾患のAIを利用した研究を通じて,医療現場におけるAI医療応用への期待を改めて実感しました.さらに,腎移植チームの働き方改革の取り組みも非常に印象深いものでした.移植医が365日オンコール体制で働き続ける厳しい現状を改善するため,ICTを駆使して診療体制を最適化するというユニークなアプローチに興味を持ちました.このような取り組みは,医療従事者の働く環境を大幅に改善し,ひいては患者への医療向上にもつながるものと感じました.自身の職場でもこのような先進的な取り組みを導入し,働き方改革を進めたいと強く思いました.さまざまなバックグラウンドを持つ医療専門家との知見を共有し,自身も技術革新への探究を進めていきたいという意欲がいっそう高まりました.
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