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編集後記
大家 基嗣
pp.110
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207735
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第36回日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会総会は近畿大学の植村天受教授が会長で,先生のモットーである「とことんやる」を実践した,個性のエッジが効いた独自性満載のプログラムでした.早朝からの聴講と座長を終え,秋晴れの午後にフラッと兵庫県立美術館を訪れました.ラフな格好でホテルに戻る途中に,小島委員と出会しました.「先生,遊んできたのでしょう.」とニッコリ.私もニッコリ微笑んですれ違いました.
美術館を訪れるのは趣味の一つです.皆さんにお薦めすると,「とっかかりがない.よくわからない.」という返事が返ってきます.私が夢中になったきっかけは,中学時代に読んだ高階秀爾著『名画を見る眼』(岩波新書)です.名著ですが,1969年の刊行ですので,最近のお薦めとしては,山田五郎氏の『西洋絵画の見方入門』(宝島社:2022年発行)です.作家ごとのエピソードが満載で,読んでいて楽しいです.圧巻は「ピカソ」の章で,ピカソが影響を受けた作家として,ポール・セザンヌとアンリ・ルソーが挙げられていました.セザンヌの章のタイトルは「絵のヘタさを逆手に取って近代絵画の父になった偉人」,ルソーの章のタイトルは「唯一無二の天然画家」です.ピカソはヘタな絵に影響を受けて新境地を開いたと書かれていました.確かにキュビズムはセザンヌの影響を受けていると言われています.セザンヌの絵がヘタかと言われると,そうとは思えないのですが,ルソーの絵は確かにヘタウマです.
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