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編集後記
大家 基嗣
pp.432
発行日 2011年5月20日
Published Date 2011/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102409
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「2D:4D」と聞いてピンと来た読者の皆様はその道のプロと言って良いかもしれません。「3Dじゃないのか。テレビだろ。」と思った方は私と同じレベルです。「2D:4D」とは第2指と第4指の長さの比をとった数値であり,胎生期のテストステロン分泌のマーカーとして広く知られているものです。2010年の第10回日本Men's Health医学会は帝京大学の堀江重郎教授が主催されました。第2回泌尿器抗加齢研究会と第1回テストステロン研究会も合同開催され,内容の豊富さと学問的な充実度で参加者はとても満足されたのではなかったかと思います。
「2D:4D」もこれらの会で私がにわか勉強して身に付けた知識です。札幌医科大学の久末伸一先生が「男性外来患者におけるテストステロン値と2D:4Dの関連」という演題で発表されていました。「2D:4D」はテストステロン値と中等度の相関関係を認めたとのことでした。成人のテストステロン値の個人差に胎生期のテストステロン値が関与している可能性が示唆されていました。講演を聞きながらしげしげと自分の手を眺めますと,確かに第4指の方が長いことがわかりました。教室の先生をつかまえて手を見せてもらいましたが,皆さんしっかりと第4指の方が長かったです。逆に,短いかあんまり変わらないヒトは本当にいるのかなと疑問が湧いてきました。泌尿器科医であるということにバイアスがかかっていて,テストステロン値が高い人達の集団なのかなと考えていました。
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