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綜説
腎細胞癌における分子標的薬の薬物動態学,薬力学,ゲノム薬理学
Pharmacokinetics, pharmacodynamics, and pharmacogenomics of molecular targeted drugs for renal cell carcinoma
土谷 順彦
1
Norihiko Tsuchiya
1
1山形大学医学部腎泌尿器外科学講座
キーワード:
腎細胞癌
,
分子標的薬
,
薬物動態
Keyword:
腎細胞癌
,
分子標的薬
,
薬物動態
pp.291-297
発行日 2017年4月20日
Published Date 2017/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205995
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要旨
現在,腎細胞癌の薬物療法としてチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)やmTOR阻害剤(mTORI)が用いられている.これらの治療薬は高い治療効果を有する一方,しばしば重篤な有害事象を引き起こす.通常,このような薬剤には血中濃度モニタリングが行われることが多いが,がん領域においてはほとんど行われることがない.経口薬は吸収の影響を大きく受けるため,血中濃度測定によって効果や有害事象を予測し,個々の患者に適した用量調整ができる可能性がある.また,薬物関連遺伝子多型の薬物血中濃度への影響も明らかになってきた.本稿では,腎細胞癌に対する薬物療法における薬物動態,薬力学そしてゲノム薬理学について解説する.
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