Japanese
English
綜説
腎細胞癌に対する分子標的治療の展開
Molecular target therapy against renal cell cancer
湯浅 健
1
,
土谷 順彦
1
,
羽渕 友則
1
Takeshi Yuasa
1
,
Norihiko Tsuchiya
1
,
Tomonori Habuchi
1
1秋田大学医学部泌尿器科
1Department of Urology,Akita University School of Medicine
キーワード:
分子標的治療
,
副作用
,
臨床試験
,
腎細胞癌
Keyword:
分子標的治療
,
副作用
,
臨床試験
,
腎細胞癌
pp.7-13
発行日 2009年1月20日
Published Date 2009/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101628
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要旨 腎細胞癌は根治的腎摘術が唯一確実な治療手段であり,抗癌剤による化学療法や放射線治療に抵抗性を示すことから遠隔転移を有するなど外科的摘除不能症例は予後不良である。治癒摘除不能例,遠隔転移症例ではインターフェロンやインターロイキン2などによる免疫療法が行われるが,奏効率は低く,10~20%とされている。このように既存の治療法の効果が乏しい腎細胞癌に対して,最近,癌細胞に特異的な異常を治療の標的とした「分子標的治療(molecular target therapy)」という新しい概念の癌治療法が注目されている。ゲノム創薬を駆使して開発された分子標的治療薬が転移性腎細胞癌に対して承認され,臨床で使用されるようになった。本稿では,分子標的治療薬の抗腫瘍作用のメカニズムから代表的臨床試験結果,治療効果の予測,および現在進行中の臨床試験まで,現在の知見や情報を概説する。
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