特集 神経因性膀胱の完全制覇
企画にあたって
小島 祥敬
1
1福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.99
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205861
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かつて日本排尿機能学会は,「神経因性膀胱研究会」「日本神経因性膀胱学会」と呼ばれていました.当教室の医局員も,今でも愛着をもって,排尿機能学会をNB学会と呼んでいます.学会の名称が変わったのは私が入会する前のことで,名称が変わった詳細な理由は存じ上げませんが,おそらく下部尿路機能障害を来す疾患は,神経因性膀胱以外にも,前立腺肥大症や過活動膀胱,女性の腹圧性尿失禁,間質性膀胱炎,夜間頻尿と多種多様であり,時代の変遷とともに幅広い議論が必要になったからだと推察します.
“神経因性膀胱”と聞いて,アレルギー反応を示す先生方は少なくないと思います.尿流動態検査(urodynamic study : UDS)も同様です.昨年の専門医試験の口頭試問で,UDSを読む問題が出題されたようですが,正答率が悪く試験官の先生方にも不評だったそうです.しかし,この領域は最も泌尿器科らしい領域の1つで,まさに泌尿器科医の腕の見せどころです.
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